握手をしてさよなら

文字を書く気持ちが低まっている。4月のあたまころには、手帳にもノートにもたくさん字を書いていたのに、どうしてだろうか。ここには書きたい気持ちになるから、ペンを持って紙に向かう気持ちが低まっているということなのだろうな。また上がってくるのかな。

 

朝、いつもと同じ時間に目が覚めて、洗濯機を回して、朝ごはんのレーズンデニッシュパンを食べる。身支度をするかしまいか迷っているうちに、二度寝、起きたらお昼。少し驚いて、ひとまず身支度。平日と同じお化粧と髪型に整える、少し過剰な身支度かという気もするのだけど、自分の身なりを整えておくと、外に出ていても安心で安全な気持ちになる。

平日には着にくくなったボーダーのニットを着る。ボーダーをヒールやジャケット、アクセリーで少し女らしくするのが好きだ。好きなものに身を包む幸せが、私にあってうれしい。

 

迷って、「お昼ごはん」が食べられるお店へ。お昼どきは混んでいることが多いのが、行けばわたしひとり、そのあと、女性がひとり。もっと食べられる気もするし、もう食べられない気もする。美味しかった。コーヒーを飲もうか考えて、字を書く気持ちにもならないし、少し歩くことにする。

紫外線は降り注いでいそうだけど、風の乾いた曇り空の日。とりあえずいつものお散歩コースを、イヤホンをつけながら歩きはじめたら、すっと空色の車が左に現れて、窓が開き、お茶目な笑顔の人。

エーとかワーとか騒ぎながら、「どうぞ」と助手席に乗せてくれる。曲がろうと思ったら、見覚えのある後ろ姿が見えて追ってきたとのこと。あなたがうろうろと散歩してるのではないかと思っていたとのこと。

この町で各自生活して、私が網の目を埋めるように縦横無尽に散策して、出会うのはすごい確率だと感激していたら、口をへの字にして、そうでもないと言う人。あなたの生活圏内、生活リズムを知ってるのだから、それを狙ってそれらしい道を通っているときに限れば、5分の1だと言う。お得意の白眼をむいて、肩をすくめる応答をしたけれど、やはりすごいことだと思って静かに笑う。だって、お店を出て右に行ったら出会えなかったし、席を立つタイミングも、起きたタイミングも、なにもかもなにもかもなにもかも。意味付けるわけではないけれど、そうやって点と点はぶつかり、線と線は交わり、起こったり起こらなかったりしているんだという実感。

あと、身なり整えていてよかった。

 

カレーを食べに行かないかと誘われて、私はサラダとアイスコーヒーでお付き合い。滑らかなカトラリーさばきで綺麗に食事をする人。車を購入する話や、3500円のカシオの時計の話をする。お腹が減って、なにかを食べなかったことがないというの、可笑しかったな。

また方角の話をしながら(相変わらずピンとこない)、行きたかった建物に送ってもらう。握手をしてさよなら。

即興演奏みたいだね。ほくほくしながら、海まで歩き、堤防沿いを通って、斜面の黄色を確認してから家まで戻り、自転車に乗って買出しを済ませて、帰宅する。野菜キムチ炒め、お風呂、音楽。

 

f:id:grano_la:20190518222434j:image

 

明日は、早起きするかどうか。

またソフトクリーム食べたい。